地球上の生命に関する不思議や、病気の原因や治療方法の開発、生命科学と人間社会の関わりなど、東京大学では多種多様な分野の研究と教育を進めています。
実行委員長からのご挨拶
平成28年4月23日(土)、21KOMCEEにて、第16回東京大学生命科学シンポジウムが開催されました。例年、本郷で開催されていたのを、今年は初の駒場キャンパスでの開催にしました。一般の方から学内外の学生・研究者をあわせておよそ500名の参加があり、駒場開催ということで、学部1・2年の学生の参加が非常に多く、若々しい白熱したシンポジウムとなりました。また、19の企業・団体からの協賛と6部局からの部局ブースのご協力を頂きました。
講演の部は保立和夫理事・副学長の挨拶に始まりました。今年度のシンポジウム講演は、未来を担う若者たちに生命科学の奥深さを知ってもらえるように、各分野の先生方に最先端の研究成果を発表していただくことを趣旨とし、生命科学ネットワークの17部局のうち8部局より教授•准教授陣にご講演いただきました。講演内容は、次世代に引き継がれる細胞がどのように若返るのか、DNAに目印をつけて細胞の動態を見る技術や超音波を利用した診断・治療技術の開発について、また、血管に蓄積する不用物を除去することで疾患を予防する研究、植物がもつ酵素やRNAに関する研究、さらに宗教学や民法学までと非常に多岐に渡っており、参加者からは「様々な研究分野の話が聞けて楽しかった」、「様々なアプローチの生命科学研究が聞けて刺激的だった」などの声が多く寄せられました。また、各講演では聴衆から積極的な質問が寄せられるとともに、活発な議論が展開され、東京大学でおこなわれている幅広い生命科学研究の面白さを学内外の方々に楽しんでいただけたように思います。最後に、福田裕穂生命科学ネットワーク長•理学系研究科長の挨拶をもって、講演会は盛況のうちに終了致しました。
ポスター発表では、大学院生、博士研究員を中心に約200題の演題が発表され、会場はどこも大変熱気に溢れていました。至る所で熱心にディスカッションしている様子が見られ、研究分野や学部を越えた研究者間・学生間の交流を促すことができたと思います。また、今回初めて行った昼食会では、ポスター発表者同士や聞きに来た若手の学生との交流が大いにに促進され、次回もぜひ開催してほしいという声をいただけました。ポスター発表者からは「広い視点から生命科学の研究に触れることができ、研究へのモチベーションが上がった」という意見も聞かれ、今後、東京大学の生命科学研究の進展を一層加速してくれるものと期待されます。
午後5時からは、同じ会場であるKOMCEE MMホールにて懇談会が開催され、優秀なポスター発表を行った発表者17名に、福田裕穂生命科学ネットワーク長から表彰状と記念品が授与されました。懇談会では談笑も交えながら当日のポスター発表や講演についての率直な意見が交わされ、多くの学生に生命科学に興味を持ってもらえるにはどうしたらいいか、学内外の異分野間の交流を活発にするためにどうしたら良いかなどの意見が交わされました。
アンケートでは、回答者の98%の方々から「次回もシンポジウムを希望する」との回答をいただき、学内外の多くの方々に満足していただけたようです。本シンポジウムが生命科学研究者間の学部横断的な交流、学生の進路選択、一般の方々への生命科学への関心を持っていただく場として貢献できたのではないかと感じています。
最後に、ご講演いただいた講演者の先生方、座長の先生方、ポスター審査員の先生方、シンポジウム開催にご協力いただいた分子生物学研究所並びに医科学研究所の皆様に深く感謝いたします。
<ポスター賞受賞者>
(受賞者) (所属)
弓桁 洋(医科学研究所)
七野 成之(医学系研究科)
山本 恭子(医学系研究科)
宮内 将(医学系研究科)
柳原 歌代子(医学系研究科)
平池 勇雄(医学系研究科)
菊池 智佳(工学系研究科)
泉田 森(工学系研究科)
Zujur Pizarro Denise Carolina(工学系研究科)
Termtanasombat Maneerat(情報理工学系研究科)
佐藤 真洋(先端科学技術研究センター)
野中 雄大(総合文化研究科)
石井 健太郎(農学生命科学研究科)
菊池 一徳(薬学系研究科)
伊原 尚樹(薬学系研究科)
白石 勇太郎(薬学系研究科)
周 翔宇(薬学系研究科)
以上、17名
開会挨拶される保立理事
盛況な講演会場の様子
賑わうポスター会場の様子
閉会挨拶をされる福田ネットワーク長
懇談会で挨拶される多羽田委員長
懇談会会場の様子
2016 BIO UT
ポスター(1P)
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