地球上の生命に関する不思議や、病気の原因や治療方法の開発、生命科学と人間社会の関わりなど、東京大学では多種多様な分野の研究と教育を進めています。
実行委員長からのご挨拶
平成26年4月26日(土)、伊藤国際学術研究センターおよび小島ホールにて、第14回東京大学生命科学シンポジウムが開催されました。今年は例年よりも早い4月の開催となりましたが、中学生から60歳以上の方まで、一般の方から学内外の研究者をあわせておよそ700名の参加があり大変盛況なシンポジウムとなりました。
講演の部は宮園浩平生命科学ネットワーク長・医学系研究科長の挨拶に始まりました。
今年度のシンポジウム講演は、若手の先生方に最先端の研究成果を発表していただくことを趣旨とし、生命科学ネットワークの17部局のうち8部局より新進気鋭の若手教授・准教授陣にご講演いただきました。講演内容は産婦人科や人工関節、脳死などの身近な医療に関わる話題から小鳥のさえずりの話まで、核酸やホルモンなどのミクロの話から研究倫理・法律の話まで、と非常に多岐に渡っており、参加者からは「色々な研究部門の話が聞けた」、「各分野の最先端のお話を伺えて楽しかった」などの声が多く寄せられました。各講演では聴衆から積極的に質問が寄せられ、活発な議論が展開されました。参加者アンケートでは「生命科学研究の広さに驚きました」、「講演内容がとても興味深かった」、「最先端の話題を一般に公開してくれて嬉しい」などの意見が寄せられ、東京大学でおこなわれている幅広い生命科学研究の面白さを一般の方々にも楽しんでいただけたように思います。
また、今年は新たな試みとしてシンポジウム講演の後に公開パネル討論の時間を設けました。テーマは「国際水準で活躍する研究者の養成」とし、いかにして東京大学がグローバルな研究者を育てることができるか、松本洋一郎理事・副学長ほか3名の先生方にご登壇いただき、ご意見を伺いました。このパネル討論会は大変盛り上がり、30分という短い時間でしたが、聴衆からも積極的にご意見、ご質問をいただきました。アンケートでも「パネル討論が興味深かった」、「先生方のご意見がすばらしかった」、「時間を増やして来年もおこなってほしい」などの意見が寄せられました。最後に、松本洋一郎理事・副学長の挨拶をもって、講演会・パネル討論会は大盛況のうちに終了致しました。
ポスター発表では、大学院生、博士研究員を中心に300題の演題が発表され、3会場はどこも大変熱気に溢れていました。至る所で熱心にディスカッションしている様子が見られ、研究分野や学部を越えた研究者間・学生間の交流を促すことができたと思います。ポスター発表者からは「このシンポジウムで初めて、自分と同じ研究をしている他学部の学生と話すことができた」という意見も聞かれ、このような出会いが今後、共同研究などへと発展し、東京大学の生命科学の進展を一層加速してくれるものと期待されます。
午後5時30分からは、生協メトロ食堂にて懇談会が開催されました。優秀なポスター発表を行った発表者29名に、一人一人に宮園浩平生命科学ネットワーク長から表彰状と記念品が授与され、受賞者は顔をほころばせていました。懇談会では談笑も交えながら当日のポスター発表や講演、パネル討論についての率直な意見が交わされ、より良いシンポジウムを作るにはどうしたらよいか、学内の異分野間の交流を活発にするためにこのシンポジウムを–見が交わされました。アンケートでは、回答者の約77%と多くの方々から「次回もシンポジウムの企画を希望する」との回答をいただき、学内外の多くの方々に満足していただけたようです。本シンポジウムが生命科学研究者間の横断的な交流や、学生の進路選択、一般の方々に関心を持っていただく場として一助になることができたのではないかと感じています。
最後に、ご講演いただいた講演者の皆様、座長の労をお取りいただいた先生方、ポスター審査員の先生方、パネル討論会にご登壇頂いた先生方、シンポジウム開催にご協力いただいた薬学系研究科微生物薬品化学教室および細胞情報学教室の皆様に深謝いたします。
<ポスター賞受賞者 (あいうえお順)>
(受賞者) (所属)
阿部 陽平 先端科学技術研究センター
石井 雅樹 薬学系研究科
今町 直登 薬学系研究科
岩田 容子 大気海洋研究所
岩間 亮 農学生命科学研究科
上野 真吾 工学系研究科
大島 大輔 医科学研究所
大橋 翼 総合文化研究科
鎌田 宏幸 工学系研究科
Kim Dongmin 工学系研究科
熊崎 薫 理学系研究科
工藤 慧 生物生産工学研究センター
小八重 善裕 農学生命科学研究科
佐伯 亘平 農学生命科学研究科
篠原 満利恵 工学系研究科
杉田 亮平 農学生命科学研究科
高井 弘基 分子細胞生物学研究所
刀川 夏詩子 農学生命科学研究科
豊岡 博子 理学系研究科
中村 彰彦 農学生命科学研究科
橋本 拓磨 理学系研究科
橋本 芳史 医科学研究所
長谷川 寛将 生産技術研究所
長谷川 森雄 薬学系研究科
前田 海成 総合文化研究科
三浦 友樹 薬学系研究科
村山 秀之 医科学研究所
和田 英治 総合文化研究科
山守 優 分子細胞生物学研究所
以上、29名
開会挨拶をされる宮園ネットワーク長
パネル討論会で意見を述べられるパネリストの先生方
賑わうポスター会場
学生と議論を交わす関水実行委員長
閉会の挨拶をされる松本理事
宮園ネットワーク長、関水実行委員長と優秀ポスター賞受賞者の皆さん
2014 BIO UT
ポスター(1P)
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