地球上の生命に関する不思議や、病気の原因や治療方法の開発、生命科学と人間社会の関わりなど、東京大学では多種多様な分野の研究と教育を進めています。
実行委員長からのご挨拶
平成25年6月8日(土)、伊藤国際学術研究センターおよび小島ホールにて、第13回東京大学生命科学シンポジウムが開催されました。梅雨入りしたことを忘れてしまいそうな見事な好天の下、高校生から60歳以上の方まで、一般の方から学内外の研究者をあわせて、およそ800名の参加があり、大変な賑わいを見せました。
講演の部は宮園浩平医学系研究科長・生命科学ネットワーク長の挨拶に始まりました。講演では、生命科学ネットワークを構成する16部局のうち8部局より、世界をリードする第一人者の先生から次代の生命科学研究を背負って立つ若手の先生まで、バラエティー豊かな講演者の先生にお越しいただき、ご講演いただきました。質疑応答では様々な分野の研究者から積極的に質問が寄せられ、活発な議論が展開されました。
参加者アンケートでは「様々な分野の生命科学を一堂に学ぶことができ、生命科学の多様性を感じることができました。」との意見が多く寄せられ、非常に広範かつ深淵な生命科学のエッセンスを楽しんでいただけたように思います。最後に、松本洋一郎理事・副学長の挨拶をもって、講演の部は大盛況のうちに終了いたしました。
伊藤国際学術研究センター地下1階には、16部局の紹介ブースが設置され、パンフレットや成果物などが展示されました。学生の方々からは、「進路選択の参考になりました。」という感想が多数寄せられました。
ポスター発表では、過去最高となる339題の演題登録があり、3会場はどこもものすごい熱気で、あちらこちらで積極的なディスカッションが繰り広げられていました。今年から国内外の研究者でよりよいコミュニケーションを図るために、演題・図表を英語化していただいたこともあり、日本人研究者と外国人研究者での英語でのディスカッションも多くみられたことが印象的でした。このシンポジウムの目的の一つである、異なる分野、異なる所属の研究者・学生間のface to faceでの交流が生まれ、共同研究の萌芽となりうるような出会いが生まれたものと感じました。
午後5時30分からは、伊藤国際学術研究センター地下2階において懇親会が開催されました。優秀なポスター発表を行った発表者には、一人一人に宮園浩平生命科学ネットワーク長からポスター賞の表彰状と記念品が授与され、受賞者は顔をほころばせていました。パネル討論会では「生命科学研究における人材育成と教育の在り方」と題して、東大を代表する4名の論客の先生方にお越しいただき、フロアも含めて活発な討論が行われました。参加者同士の歓談にも華が咲き、大盛況のうちにシンポジウムは終了しました。 アンケートでは、回答者の約73%が「次回もシンポジウムの企画を希望する」と回答され、概して満足していただけたと思います。
今年は例年シンポジウムを開催している安田講堂が改修中で使えないこともあり、伊藤国際学術研究センター・小島ホールで開催するという初めての試みでしたが、講演とポスター発表、懇親会の会場がコンパクトだったために非常に一体感のあるシンポジウムになったのではないかと思います。本シンポジウムが生命科学研究者間の横断的な交流や、学生の進路選択、一般の方々に関心を持っていただく場として一助になったと感じ、大変うれしく思っています。
最後に、ご講演いただいた講演者の皆様、座長の労をお取りいただいた先生方、ポスター審査員の先生方、パネル討論会でご発表頂いた先生方、シンポジウム開催の準備にご協力いただいた医学系研究科・総合文化研究科の事務部の皆様、シンポジウム実行委員会の皆様と、当日のお手伝いをいただいた医学系研究科血液腫瘍内科の皆様に深謝いたします。
<ポスター賞受賞者(順不同)>
溝上 祐介(理学系研究科)
別役 重之(理学系研究科)
長谷部 文人(生物生産工学研究センター)
楊 倬皓(薬学系研究科)
岩立 竜(医学系研究科)
大場 陽介(薬学系研究科)
野村 征太郎(医学系研究科)
武井 洋大(薬学系研究科)
井上 雄介(理学系研究科)
北沢 太郎(医学系研究科)
竹内 健一(薬学系研究科)
舟山 健太(薬学系研究科)
丹羽 國祥(薬学系研究科)
谷貝 知樹(分子細胞生物学研究所)
間部 悟(工学系研究科)
上野 真吾(工学系研究科)
手島 哲彦(生産技術研究所)
備瀬 竜馬(情報学環・学際情報学府)
以上、18名
開会の挨拶をされる宮園ネットワーク長
賑わう部局紹介ブース
ポスター会場の様子(小島ホール)
講演の部閉会の挨拶をされる松本理事
懇親会パネル討論
挨拶をされる黒川実行委員長